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導入 (Introduction)
- 洗濯物を干そうとしたら、肩に「ズキッ」とした衝撃が走った。
- エプロンの紐を後ろで結べない。
- そして何より、「夜中に肩が疼(うず)いて、何度も目が覚めてしまう」。
40代〜50代を襲うこの悩み、一般的には「五十肩」と呼ばれますが、専門的には「肩関節周囲炎(凍結肩)」の状態に近いと言えます。
「そのうち良くなるだろう」と高を括っていませんか?
確かに自然に落ち着くこともありますが、間違った対処をすると、関節がガチガチに固まって(拘縮)、動きが悪くなるリスクもあります。
特に「夜間痛」がある今は、肩の中で「強い炎症」が起きている可能性があります。
この時期に無理な運動やマッサージをすることは、一般的に推奨されません。
この記事では、今の肩の状態がどのステージにあるのかの目安を知り、負担を減らすためのロードマップを提案します。
一般論の否定 (The Antithesis)
「痛くても動かさないと固まる」の誤解
よく近所の方や、一般の方からこう聞くことはありませんか?
「五十肩は、痛くても無理やり動かさないと固まっちゃうよ!」
これは半分正解で、半分は注意が必要です。
炎症が強く、夜も眠れない時期(炎症期)に無理に動かすことは、火事に油を注ぐようなものになりかねません。かえって落ち着くまでの期間が長引くこともあります。
「動かさなきゃ」と焦る必要はありません。
「痛い時は無理せず休む。落ち着いてから徐々に動かす」。
このメリハリこそが、スムーズな回復への鍵です。
【最重要】メカニズムの徹底解剖 (Deep Dive)
関節包が縮んで分厚くなる

五十肩の状態とは、筋肉だけでなく、関節を包んでいる袋である「関節包(かんせつほう)」の炎症と線維化が関わっていると言われています。
正常な関節包は、薄くて弾力があり、アコーデオンのように伸び縮みします。
しかし、炎症が長引くと、この袋が赤く腫れ上がり、最終的には分厚く硬くなって縮こまってしまいます(真空パックされたような状態)。
これが動きの悪さ(拘縮)の原因です。
特に、肩の前上部にある「腱板疎部(けんばんそぶ)」という場所が神経過敏になることが、夜の辛さに関係しているという説があります[1]。
夜、横になると肩の骨の位置が変わり、敏感になった部分が圧迫されるため、ズキズキと感じることがあるのです。
セルフチェック (Self-Screening)
あなたの肩のステージの目安を確認しましょう。
【ステージチェック】
- 炎症期(発症〜数ヶ月):
- じっとしていても辛い(安静時痛)。
- 夜、不快感で目が覚める(夜間痛)。
- 対策: 安静、アイシング。無理な運動は避ける。
- 拘縮期(4ヶ月〜):
- 鋭い悩みは減ったが、何かに引っかかって腕が上がらない。
- 動きの悪さがメイン。
- 対策: ここから積極的なストレッチや運動を開始!
- 回復期(〜1年):
- 徐々に動くようになってくる。
あなたの状態が「1」なら、まだ頑張りすぎてはいけない時期かもしれません。
パルク式解決策 (The Solution)
炎症期の夜間痛を乗り越えるための「ポジショニング(寝る姿勢)」と、拘縮期に入ってからのコンディショニングです。
1. 夜間痛対策:クッションで肩を浮かす
寝る時、不快な方の肩が重力で下に落ちないようにします。
* 仰向け: 肘の下にバスタオルやクッションを敷き、肩を少し持ち上げます。お腹の上に抱き枕を置くのも有効です。
* 横向き: 不快な方を上にします。抱き枕を抱えて、腕の重さを預けます。
これだけで関節への負担が減り、夜が楽になることが多いです。
2. コッドマン体操(振り子運動)
炎症期から拘縮期への移行期に行える、負担の少ない運動です。
重り(ペットボトルやアイロン)を持ち、上半身を前かがみにして、腕をダラんと垂らします。
自分の力を使わず、重力と遠心力だけで前後左右に小さく揺らします。
関節の中に隙間を作るイメージで行います。
3. 肩甲骨から動かす
肩関節(上腕骨)が固まっている間は、肩甲骨の動きでカバーします。
以前紹介した「肩甲骨はがし」のエクササイズなどで、土台を柔らかくしておくことで、全体の動きがスムーズになります。
【有料級】セルフケア・マニュアル (Action Plan)
【壁登りストレッチ(※拘縮期限定)】
「ズキズキ」が消え、「固くて上がらない」状態になったら行ってください。
- 壁に向かって立ちます。
- 動かしにくい方の手を壁につき、指でトコトコと壁を登っていきます。
- 「いてて…少し突っ張るな」というところでストップ。
- そこで膝を少し曲げ、体重を壁にかけて脇を伸ばします(10秒)。
- これを毎日、少しずつ到達点を高くしていきます。
よくある質問 (FAQ)
Q1: 病院へ行ったほうがいいですか?
A: 夜も眠れないほどの強い悩みがある場合は、整形外科を受診することをお勧めします。まずは炎症という火事を消火するのが優先です。
Q2: どのくらいで良くなりますか?
A: 個人差ありますが、一般的には半年〜1年以上かかることもあります。適切な運動指導を受けることで、その後の動かしやすさが変わってきます。
Q3: デスクワークは関係ありますか?
A: 大いに関係があります。猫背で肩が内巻き(巻き肩)になっていると、関節包の前側が常に縮んだ状態になり、負担がかかりやすくなります。
まとめ・行動喚起 (Conclusion & CTA)
五十肩と呼ばれる症状は、「年齢」だけが原因ではありません。
日々の姿勢や使い方の積み重ねが、負担となっていることも多いです。
今は辛い夜も、必ず出口があります。
一人で悩まず、専門家のチェックを受けてみてください。
「今、動かすべきか、休むべきか」の状態を見極めることが、スムーズな生活への近道です。
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▼参考文献
[1] Hand C et al. The pathology of frozen shoulder. J Bone Joint Surg Br. 2007.






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