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はじめに:「寝ているのに疲れが取れない」問題
「7時間寝ているのに、朝起きると体がだるい」「日中ずっと眠い」——こんな悩みを抱えていませんか?
実は、睡眠の量(時間)と質は全くの別物です。長く寝ても、深い睡眠(ノンレム睡眠のステージ3〜4)が取れていなければ、体は回復しません。
厚生労働省の調査では、日本人の約5人に1人が睡眠に何らかの問題を抱えていると報告されています[1]。
当店では、袖ケ浦市内の方から「肩こりも腰痛も、結局は睡眠を改善したら楽になった」という声を多く聞きます。理学療法士の視点から、寝る前3分でできる睡眠改善ルーティンをお伝えします。
一般論の否定:「寝る時間を増やせば解決」は間違い
多くの人が「疲れが取れないなら、もっと寝ればいい」と考えています。しかし、睡眠時間を増やしても質が悪ければ逆効果です。
なぜ長く寝ても疲れが取れないのか?
- 交感神経が優位なまま寝ている:ストレスや緊張が続くと、寝ていても体が休めない
- 体温調節がうまくいっていない:深部体温の低下が浅い
- 睡眠の構造が乱れている:深い睡眠が少なく、浅い睡眠ばかり
研究では、睡眠時間が7時間でも質が良ければ、9時間の質の悪い睡眠より回復効果が高いことが示されています[2]。
【最重要】睡眠の質を左右する自律神経のメカニズム
1. 交感神経と副交感神経のバランス
自律神経は2つの系統で構成されています:
- 交感神経:「戦うか逃げるか」モード。心拍数↑、筋肉の緊張↑、覚醒状態
- 副交感神経:「休息と回復」モード。心拍数↓、筋肉のリラックス、消化促進
良質な睡眠のためには、就寝前に副交感神経を優位にすることが不可欠です。
しかし、現代人は寝る直前までスマホを見たり、仕事のことを考えたりして、交感神経が高ぶったまま眠りにつくことが多いのです。

2. 深部体温と睡眠の関係
人間の体は、深部体温が下がるときに眠くなるように設計されています。
メカニズム:
- 就寝の1〜2時間前に体温がピークを迎える
- 手足の末梢血管から熱を放散して体温を下げる
- 体温が下がると、メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が促進
問題: 冷え性の人は末梢血管が収縮しているため、熱を放散できず、寝つきが悪くなります[3]。
3. メラトニンとブルーライトの関係
メラトニンは「睡眠ホルモン」と呼ばれ、暗くなると分泌が増加します。
- スマホやPCのブルーライトは、メラトニンの分泌を最大50%抑制するという研究結果があります[4]
- 就寝の2時間前からブルーライトを避けることが推奨されています
- 暖色系の照明に切り替えることで、メラトニンの分泌を促進できます
セルフチェック:あなたの睡眠の質は?
以下の項目に当てはまるものはありますか?
- [ ] 布団に入ってから30分以上寝つけない
- [ ] 夜中に2回以上目が覚める
- [ ] 朝起きたときに体がだるい
- [ ] 日中、強い眠気を感じる
- [ ] 寝る直前までスマホを見ている
- [ ] 肩こりや頭痛がひどい
3つ以上当てはまる場合、睡眠の質に問題がある可能性が高いです。
パルク式解決策:寝る前3分の睡眠改善ルーティン
ステップ1:呼吸法(1分)——4-7-8呼吸法
アリゾナ大学のAndrew Weil博士が提唱する呼吸法[5]:
- 鼻から4秒間息を吸う
- 7秒間息を止める
- 口から8秒間かけてゆっくり吐く
- 3〜4回繰り返す
効果:
- 副交感神経が優位になる
- 心拍数が低下する
- 筋肉の緊張がほぐれる
ステップ2:首〜肩のリリース(1分)
胸鎖乳突筋・僧帽筋のストレッチ
- 右手で左耳の上を持ち、ゆっくり右に傾ける
- 15秒キープ
- 反対側も同様に行う
- 最後に、ゆっくり首を回す(左右各5回)
効果:
- 首周りの緊張を解放
- 頭部への血流改善
- 目の疲れの軽減

ステップ3:全身脱力法(1分)——漸進的筋弛緩法
Jacobsonが開発した筋弛緩法[6]の簡易版:
- 仰向けに寝て、全身に5秒間力を入れる(こぶし、肩、つま先すべて)
- 一気に脱力する
- 10秒間、体が重くなる感覚を味わう
- 3回繰り返す
効果:
- 「力を入れてから抜く」ことで、普段気づかない緊張に気づける
- 筋肉がリラックスし、血流が改善
- 副交感神経がさらに優位になる
【有料級】睡眠の質を劇的に変える環境づくり
1. 寝室の温度と湿度
- 室温:16〜19度が最適(研究では室温が高すぎると深い睡眠が減少[7])
- 湿度:50〜60%を維持
- 冬は加湿器、夏はエアコンの除湿機能を活用
2. 光環境の管理
- 就寝2時間前からスマホ・PCのブルーライトを制限
- ナイトモードまたはブルーライトカットメガネの使用
- 寝室は完全に暗くする(遮光カーテン推奨)
3. 枕の高さ調整
- 仰向け時:額と顎が同じ高さになるのが理想
- 横向き時:背骨がまっすぐになる高さ
- バスタオルで微調整が可能
4. 入浴のタイミング
- 就寝の90分前に38〜40度のお湯に15分浸かる
- 深部体温を一度上げてから下げることで、自然な眠気を誘発
- 熱すぎるお湯は交感神経を刺激するのでNG
よくある質問(FAQ)
Q1. 寝酒は睡眠に良いですか?
A. 逆効果です。アルコールは入眠を早めますが、睡眠の後半でレム睡眠を阻害し、夜中の覚醒を増やします。また利尿作用でトイレに起きやすくなります[2]。
Q2. 昼寝はしてもいいですか?
A. 15〜20分の昼寝は効果的です。ただし、15時以降の昼寝や30分以上の長い昼寝は、夜の睡眠に悪影響を与えます。「パワーナップ」として短時間に留めましょう。
Q3. 休日の寝だめは効果ありますか?
A. 体内時計のリズムを崩すため、おすすめしません。平日と休日の起床時間の差は2時間以内に抑えることが推奨されています。この差が大きいと「社会的時差ボケ」と呼ばれる状態になります[1]。
Q4. サプリメントは効果ありますか?
A. マグネシウムやグリシンは一部の研究で効果が報告されています。ただし、まずは生活習慣の改善が最優先です。サプリメントはあくまで補助的な位置づけです。
Q5. 運動は睡眠の質を上げますか?
A. はい、適度な運動は睡眠の質を大幅に向上させます。ただし、就寝3時間前以内の激しい運動は逆効果です。午前中〜夕方の運動が最も効果的です[7]。
まとめ・CTA:今夜から始める「たった3分」
睡眠の質を変えるのに、大げさな準備は必要ありません。大切なのは:
- 4-7-8呼吸法で副交感神経を優位にする
- 首肩ストレッチで緊張を解放する
- 漸進的筋弛緩法で全身をリラックスさせる
「寝ても疲れが取れない」と悩んでいる方、今夜からたった3分のルーティンを試してみませんか?
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▼参考文献
[1] 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
[2] Walker M. Why We Sleep: Unlocking the Power of Sleep and Dreams. Scribner. 2017.
[3] Kräuchi K et al. Warm feet promote the rapid onset of sleep. Nature. 1999;401(6748):36-37.
[4] Chang AM et al. Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep. PNAS. 2015;112(4):1232-1237.
[5] Weil A. Breathing: The Master Key to Self Healing. Sounds True. 1999.
[6] Jacobson E. Progressive Relaxation. University of Chicago Press. 1938.
[7] Kredlow MA et al. The effects of physical activity on sleep: a meta-analytic review. J Behav Med. 2015;38(3):427-449.






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