口を開けるとカクカク鳴る…顎関節症には「側頭筋」マッサージが効く

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はじめに:意外と多い「顎の不調」

「口を開けるとカクカク鳴る」「食事中にこめかみが痛くなる」「あくびをすると顎がロックされそうになる」——こんな症状はありませんか?

これらは顎関節症(がくかんせつしょう)の典型的な症状です。

日本顎関節学会の報告では、日本人の2人に1人が生涯のうちに何らかの顎関節の症状を経験すると言われています[1]。特に20〜40代の女性に多く見られます。

「歯医者さんに行ったけど改善しない」という方も少なくありません。実は顎関節症は、顎だけの問題ではなく、首・肩・頭の筋肉のバランスが影響していることが多いのです。


一般論の否定:「顎関節症=歯の問題」は半分正解

多くの人が「顎が痛い=歯科」と考えますが、実は顎関節症の多くは歯ではなく筋肉の問題です。

顎関節症の4つの分類[2]

| 型 | 原因 | 主な症状 |
|—|—|—|
| Ⅰ型 | 筋肉の問題 | こめかみの痛み、開口制限 |
| Ⅱ型 | 関節包・靭帯の問題 | 顎の横が痛い、口が開きにくい |
| Ⅲ型 | 関節円板の問題 | カクカク音、ロッキング |
| Ⅳ型 | 骨の変形 | 慢性的な痛み、変形 |

最も多いのがⅠ型(筋肉性)で、全体の約50%を占めます。

つまり、半数以上の顎関節症は筋肉をほぐすことで改善の可能性があるのです。

図解

【最重要】顎関節症のメカニズム:解剖学的視点

1. 顎を動かす4つの筋肉

咀嚼筋群(そしゃくきんぐん):

  • 咬筋(こうきん):頬の外側にある。噛むときに最も強く働く
  • 側頭筋(そくとうきん):こめかみに扇形に広がる。食いしばりで特に緊張
  • 内側翼突筋(ないそくよくとつきん):顎の内側。口を閉じる
  • 外側翼突筋(がいそくよくとつきん):関節円板に付着。口を開ける

2. 食いしばりと側頭筋の関係

側頭筋は「食いしばり」で最も影響を受ける筋肉です。

正常でも人は1日に600〜700回上下の歯を接触させますが、ストレスが多い人は無意識に歯を食いしばり、接触回数が数倍に増えることがあります[3]。

その結果:

  • 側頭筋が常に緊張→こめかみの頭痛
  • 咬筋が肥大→エラが張る
  • 関節円板にストレス→カクカク音

3. 姿勢と顎の深い関係

猫背やストレートネックは、顎関節症を悪化させます。

メカニズム:

  • 頭が前に出ると、下顎が後方に引かれる
  • 関節面にかかるストレスが変化
  • 咀嚼筋のバランスが崩れる

ある研究では、前方頭位(頭が前に出た姿勢)の人は、そうでない人に比べて顎関節症のリスクが1.7倍高いと報告されています[4]。


セルフチェック:あなたの顎関節リスクは?

以下の項目に当てはまるものはありますか?

  • [ ] 口を開けるとカクカク・ジャリジャリ音がする
  • [ ] 指3本分(人差し指・中指・薬指)を縦に口に入れられない
  • [ ] 朝起きると顎がこわばっている
  • [ ] こめかみを押すと痛い
  • [ ] 食事中に顎が疲れる
  • [ ] 歯ぎしりを指摘されたことがある

3つ以上当てはまる場合、顎関節症の可能性があります。


パルク式解決策:「側頭筋」「咬筋」セルフマッサージ

ステップ1:側頭筋マッサージ(こめかみ)

  1. こめかみに人差し指・中指・薬指の3本を当てる
  2. 円を描くように10回マッサージ
  3. 口を少し開けた状態で行うと効果的
  4. 圧は「痛気持ちいい」程度
  5. 左右各30秒ずつ

ポイント: 食いしばりがある人は、ここが硬くなっています。毎日続けることで、慢性的な緊張がほぐれます。

ステップ2:咬筋マッサージ(エラの部分)

  1. 歯を噛みしめると膨らむ筋肉(エラの部分)を確認
  2. 親指を口の中、残りの4本を外側に当てて挟むようにマッサージ
  3. 上下に5回、前後に5回
  4. 左右各30秒ずつ

ポイント: 口の中からの方が深い部分に届きます。衛生面を考え、手洗い後に行ってください。

ステップ3:開口ストレッチ

  1. リラックスして口を少し開ける
  2. 下顎をゆっくり最大まで開く
  3. 3秒キープして、ゆっくり閉じる
  4. 10回繰り返す

注意: カクカク音がする場合、音が鳴る手前で止めてください。無理に開かないことが重要です。

図解2

【有料級】顎関節症の悪化を防ぐ生活習慣

1. TCH(歯列接触癖)を意識する

TCH = Tooth Contacting Habit

  • 通常、上下の歯は離れているのが正常
  • パソコン作業中やスマホ操作中に歯が触れていないか確認
  • 「歯を離す」と書いたメモをPCやスマホに貼る

研究では、TCHの改善だけで顎関節症の症状が約50%軽減したという報告があります[5]。

2. 片噛みをやめる

  • 常に同じ側でかむ癖がないか確認
  • 意識的に左右均等にかむ
  • ガムを片側だけで噛み続けないこと

3. 頬杖をつかない

  • 頬杖は顎に横からの力を加える
  • 関節円板のズレを助長する
  • デスクワーク中は特に注意

4. ストレス管理

  • 食いしばりの原因の多くは精神的ストレス
  • リラクゼーション法の習得
  • 寝る前の4-7-8呼吸法がおすすめ(睡眠記事も参照)

5. マウスピースの活用

  • 歯科で作成するスプリント(マウスピース)
  • 就寝中の歯ぎしり・食いしばりから歯と関節を保護
  • ただし、マウスピースだけでは根本解決にならない

よくある質問(FAQ)

Q1. 顎関節症は自然に治りますか?

A. 軽度のものは自然に改善することもあります。しかし、放置すると慢性化し、開口制限や慢性頭痛につながることがあります。セルフケアを行いながら、改善しない場合は専門家に相談してください[1]。

Q2. どの科を受診すべきですか?

A. まずは歯科口腔外科がおすすめです。そこで筋肉性の問題と判断された場合、理学療法士によるアプローチも効果的です。当店でも、咀嚼筋のリリースや姿勢改善を通じた顎関節症のケアを行っています。

Q3. カクカク鳴るのは危険ですか?

A. すぐに危険というわけではありませんが、関節円板のズレを示すサインです。痛みがなければ経過観察でも構いませんが、ロッキング(口が開かなくなる)に進行する可能性があるため、セルフケアは始めておくべきです[2]。

Q4. 食いしばりは治りますか?

A. 完全にゼロにするのは難しいですが、TCHの意識化と、側頭筋・咬筋のリラクゼーションで大幅に軽減できます。日中の意識改善だけでも50%以上の効果が報告されています[5]。

Q5. 子供でも顎関節症になりますか?

A. はい、近年増加傾向にあります。特にスマホやゲームによる姿勢の悪化が原因の一つと考えられています。お子さんが口を開けたときに痛みや音がある場合は、早めの相談をおすすめします。


まとめ・CTA:セルフマッサージで顎のストレスを解放

顎関節症の多くは筋肉の問題です。大切なのは:

  1. 側頭筋マッサージでこめかみの緊張を解放
  2. 咬筋マッサージでエラの硬さをほぐす
  3. TCHの意識で日中の食いしばりを減らす
  4. 姿勢改善で顎へのストレスを軽減

「口が開けにくい」「こめかみが痛い」と悩んでいる方、まずは側頭筋マッサージから始めてみませんか?

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▼参考文献
[1] 日本顎関節学会「顎関節症患者のための初期治療ガイドライン」2021年改訂版.
[2] Okeson JP. Management of Temporomandibular Disorders and Occlusion. 8th ed. Elsevier. 2019.
[3] Sato F et al. Teeth contacting habit as a contributing factor to chronic pain in patients with temporomandibular disorders. J Med Dent Sci. 2006;53(2):103-109.
[4] Matheus RA et al. The relationship between temporomandibular dysfunction and head and cervical posture. J Appl Oral Sci. 2009;17(17):204-208.
[5] Sato S et al. Effect of awareness and self-regulation of tooth contact in patients with chronic TMD. J Oral Rehabil. 2021;48(5):568-576.

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ABOUTこの記事をかいた人

ぼろぼろの身体をなんとかするために理学療法士に!身体を整えることで人生が変わることを実感!地域活動に力をいれつつ、身体を整え人生を楽しく生きることをモットーに活動中。訪問・自宅での施術行ってます!