1. 導入:恐怖の「朝の一歩目」
(※当サロンによくある相談ケースです)
主訴: 寝起きにベッドから降りて、足を着いた瞬間に踵(かかと)の内側がズキッと痛む。しばらく歩いていると少し楽になるが、夕方になるとまた痛む。
背景: ランニングを始めたばかり、または立ち仕事で安全靴を履いている方に多いです。
「骨にトゲができている(骨棘)と言われた」 「インソールを変えたけど治らない」
この痛み、本当に辛いですよね。歩くこと自体が億劫になってしまいます。 これは**「足底筋膜炎(そくていきんまくえん)」**の典型的な症状ですが、実は痛い場所(足の裏)だけをマッサージしても治りません。
原因は、もっと離れた**「ふくらはぎ」や「足の指」**にあることが多いのです。
2. 一般論の否定:クッション性の高い靴だけでは不十分
「かかとが痛いから、柔らかい靴にしよう」 これは一時的な対処にはなりますが、根本解決にはなりません。 なぜなら、痛みの原因は衝撃ではなく、**「足底筋膜が常に引っ張られ続けていること(牽引ストレス)」**にあるからです。
3. 【最重要】メカニズム徹底解剖:足裏のバネが壊れている
① ウィンドラス機構(巻き上げ機) 足の裏には、かかとから指の付け根まで「足底筋膜」という強靭な繊維が張っています。 歩くとき、つま先立ちになると足の指が反ります。すると、この筋膜がピーンと巻き上げられ(ウィンドラス機構)、足のアーチが高くなり、蹴り出す力を生み出します。
② なぜ炎症が起きるのか? しかし、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)が硬いと、かかとの骨が後ろに引っ張られます。 さらに、足の指がうまく使えず「浮き指」になっていると、足底筋膜はずっと強く引き伸ばされた状態になります。 この状態で何千歩も歩くことで、筋膜の付着部(かかと)に微細な断裂が起き、炎症が発生します。
③ 朝痛い理由 寝ている間は足首が伸びた状態(底屈位)になり、筋膜が縮こまっています。 朝起きて急に体重をかけると、縮んで硬くなった筋膜が無理やり引き伸ばされるため、激痛が走るのです。
4. セルフチェック:足の機能評価
足首の硬さ: 膝を伸ばしたまま、つま先を自分の方に向けられますか?(90度以上曲がらないと硬いです)
指の機能: 足の指でグー・チョキ・パーができますか?特に「パー」で小指が開きますか?
圧痛: かかとの内側やや前方を指で押すと痛みますか?
5. パルク式解決策:バネの柔軟性を取り戻す
当サロンでは、足の裏だけでなく、連動する筋膜ライン全体を調整します。
① ふくらはぎのリリース 足底筋膜と連結しているアキレス腱、腓腹筋、ヒラメ筋を徹底的に緩めます。これだけで足裏の張力が劇的に下がります。
② 立方骨(りっぽうこつ)の挙上 足の外側にある「立方骨」が下がっていると、アーチが崩れます。ここをキュッと持ち上げるテーピングや手技を行うと、その場で痛みが軽減することが多いです。
③ タオルギャザーは逆効果? よく推奨される「タオルを足の指で手繰り寄せる運動」ですが、炎症が強い時期に行うと筋膜を酷使して悪化させることがあります。 時期を見極め、最初は「指を広げる運動」から開始します。
6. 【有料級】セルフケア・マニュアル
痛みを和らげる「ゴルフボール・リリース」です。 (※炎症が強すぎる場合は控えてください)
椅子に座り、足の下にゴルフボール(またはテニスボール)を置きます。
足の裏全体でコロコロと転がします。
特に、土踏まずの内側や、指の付け根付近を重点的に行います。
注意: 痛い場所(かかとの骨)を直接グリグリ強く押すのはNGです。その「手前(土踏まず)」を緩めるのがコツです。
お風呂上がりに3分間行いましょう。
7. よくある質問 (FAQ)
Q1. 冷やしたほうがいいですか?温めたほうがいいですか? A. ズキズキ痛む急性期や、歩いた直後はアイシング(保冷剤で10分)が有効です。慢性的で朝のこわばりが強い場合は、温めて血流を良くする方が効果的です。
Q2. インソールは作ったほうがいいですか? A. アーチが極端に崩れている(扁平足やハイアーチ)場合、インソールで物理的にサポートするのは非常に有効です。当サロンでもオーダーメイドインソールの相談を承っています。
Q3. ランニングは続けてもいいですか? A. 痛みが強いうちは、衝撃の少ない水泳やエアロバイクに切り替えることをお勧めします。再開する際は、土の地面や芝生など柔らかい場所を選んでください。
Q4. ステロイド注射は効きますか? A. 劇的に効きますが、何度も繰り返すと腱や脂肪組織(ヒールパッド)が脆くなるリスクがあります。「ここぞ」という時の最終手段と考えておくのが良いでしょう。
Q5. 家の中でスリッパは履いたほうがいいですか? A. はい。フローリングを裸足で歩くと衝撃がダイレクトに伝わるため、クッション性のある室内履きを推奨します。
8. まとめ・行動喚起
足底筋膜炎は「歩く」という日常生活の基本に関わるため、精神的にも辛い症状です。 しかし、原因となっている筋肉の張力バランスを整えれば、必ず痛みは引いていきます。
痛みを我慢して歩き方が変になる前に、早めのメンテナンスにお越しください。
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